東洋医学の豆知識⑤五臓編~ 心 ~
久しぶりの更新となりました。コロナ禍でまさに~心~を病む方が増えています。
今だからこそ~心~について考えたいと思います。
東洋医学の豆知識、五臓編、今回は~心~です。
東洋医学の心は全身の血液循環、精神活動の調整など生体の司令塔として働いています。
心は最も陽の気が強い臓で”熱”、”向上”、”昇沸”の性質を持っています。
心の働きは主に3つあります。
①血液循環を司る
②精神活動全体を整える
③睡眠や覚醒、体温や発汗の調整
1つずつ説明していきます。
①血液循環を司る
西洋医学でいう心臓のポンプ機能と各器官に栄養や潤いを届けるはたらきがあります。
心気が不足すると疲れやすくなり、動機や息切れ、胸痛、手足の冷え、顔のむくみ等が現れます。
②精神活動全体を整える
西洋医学で言う大脳の働きや精神活動、思考活動、言語活動を担っています。
心気が不足すると精神活動の機能低下が現れやすく、集中力の低下、物忘れ、過剰な不安感、頭がクラクラする等の症状が現れます。
③睡眠や覚醒、体温や発汗の調整
心気が不足して精神活動が低下すると不眠や夢が多くなり、過剰になると興奮して眠りが浅い、入眠困難などが現れます。
また、汗の調整も担っているので、心陰が不足すると寝汗がひどい・口やのどが渇き、心陽が不足すると自汗(勝手に汗が出る)や顔のむくみ等が現れます。
心は全身の司令塔なので、心の異常は腎・脾・肝の不調も招きやすいです。
全身の不調が長引けば、うつや不安症等の精神症状へと進んでいきやすい様に思います。
心は否定的、絶望的な考えによって傷つきます。
現実が厳しい事も多いと思いますが、自分の考え方を紙に書き出して(マインドマップ等がお勧めです)整理すると希望も見えてきます。思考が整理できると、健全な思考と感情がよみがえり心の不調も回復していきます。
長年治療にあたっていて、心が病むときは病が深く、治り出すまで時間がかかる気がします。
患者さん、治療家ともに焦らず治療を進めて行くことが大切だと思います。
参考文献 : 東洋医学のしくみ 兵頭明 新星出版社
: カラダを考える東洋医学 伊藤剛 朝日新聞出版