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からだの豆知識

東洋医学の豆知識③五臓編~ 肺 ~

東洋医学の豆知識、五臓編、今回は~肺~呼吸器系の臓器です。
東洋医学の肺は外気に触れる部分を指し、呼吸器系(鼻、気管、肺)だけでなく皮膚も含みます。

肺の働きは主に3つあります。【】内は東洋医学の専門用語です。
①体を外邪(ウイルスや細菌、花粉、寒さ等)から守る【衛気】
②水分(津液)や気を体中に運び巡らせる【宣発・粛降】
③皮膚や汗の調節をする

1つずつ説明していきます。
①体を外邪(ウイルスや細菌、花粉、寒さ等)から守る【衛気】
外気に触れる部分(呼吸器や皮膚)には、外邪の侵入を防ぐ【衛気】が張り巡らされています。
この働きが悪くなると抵抗力が下がり、外邪が侵入しやすくなります。
外邪が体に入ると、風邪をひく、肌荒れ、花粉症、喘息や咳、鼻水・鼻つまり等の原因となります。

②水分(津液)や気を体中に運び巡らせる【宣発・粛降】
水分循環の調整や、呼吸と連動して気を全身に届ける働き。
この働きが悪くなると、顔がむくんだり、尿が減って足がむくんだり、気が回らず血行不良になったりします。

③皮膚や汗の調節をする
皮膚を守り、汗腺の開閉で汗をコントロールする働き。
この働きが悪くなると、寒さや暑さに弱くなったり、肌荒れやアトピー、多汗、無汗で熱がこもったりします。

また、強い悲しみや憂いは肺を傷つける、とされています。
肺を傷めると気が弱くなり、元気がなくなってしまいます。
治療をしていて肺が弱い方は、色白でむくみやすく、肌が薄い印象があります。
風邪をひきやすかったり、喘息・咳・鼻の異常、肌が弱い方は肺が弱い可能性があります。

参考文献 : 東洋医学のしくみ  兵頭明   新星出版社

公開日:2020/2/26