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からだの豆知識

東洋医学の豆知④五臓編~ 肝 ~

東洋医学の豆知識、五臓編、今回は~肝~の臓器です。
東洋医学の肝は全身の循環、自律神経の調整、精神的な安定などを主ります。
肝の働きは主に3つあります。【】内は東洋医学の専門用語です。
①血液の貯蔵【蔵血】、気・血・津液の循環を調節 【疏泄】
②自律神経や精神のバランスを保つ
③解毒、骨格筋や目の調整

1つずつ説明していきます。
①血液の貯蔵【蔵血】、気・血・津液の循環を調節 【疏泄】
血液を蓄え、血を気や津液と共に全身へ循環させます。
この働きが悪くなると、血の不足により月経不順、皮膚や髪の乾燥、顔が青白くなる、爪が薄くなるなど貧血様症状が起こりやすくなります。

②自律神経や精神のバランスを保つ
気や血を循環させることで自律神経やホルモンの調整、情緒面の調整をしています。
この働きが悪くなると、神経が過敏になり、イライラ、焦り、怒りっぽくなる、抑うつ感など精神的な不調がでやすくなります。
また、自律神経やホルモン系も乱れ、生理不順や便秘、不眠や頭痛、めまいや耳鳴り、動悸など不調が多岐にわたる事があります。

③解毒、骨格筋や目の調整
お酒、薬、添加物など体に有害な物を解毒する働きがあります。また、骨格筋や目の働きも調整しています。
この働きが悪くなると、解毒できない有害物質が体にまわり、蕁麻疹などの皮膚症状に出ることもあります。
また、筋肉の痙攣やしびれ、目のかすみや乾燥、飛蚊症などが起こりやすくなります。

肝は精神面、特に怒りの感情とつながりが強いと言われています。
怒りやイライラが止まらない時は肝が病んでいるかもしれません。まずはストレスを避け、休むことが第一です。

長年治療していると、肝に異常が出やすい方は、休むことが苦手で常に動いている‘頑張り屋さん‘の印象があります。
広々とした場所で、のんびり過ごすことが肝を癒すうえで最も大切な気がします。
たまには温泉でのんびり過ごすなど、日常から離れてみることがお勧めです。

参考文献   東洋医学のしくみ  兵頭明   新星出版社
       カラダを考える東洋医学 伊藤剛 朝日新聞出版

公開日:2020/3/17